20210412 熊井泰明・大砂雅子

あなたの会社は、能力に応じた機会を与えてくれるか?

-まずいことに私たちは120位以下に慣れて来ている-

 

会社の経営層と、女性活躍について議論することがあります。彼らの回答は、「40代以上の女性は、もうやる気がない。今の若い女性たちは、積極的だ。彼女たちが管理職になるにはあと10年以上かかる。日本は時間がかかる。」だから、女性管理職の比率が低いそうで、日本の女性活躍は当分先だそうです。30年以上前の男女雇用機会均等法に始まり、男女共同参画、女性活躍という言葉をきいてずいぶん経ちました。その間に、日本のジェンダー指数は下落のみ。私が参加する女性が他にいない企業の経営者や自治体の会議で、男性たちから、女性活躍の実践方法について、ほとんど聞いたことがありません。多様性が必要ないのか、何のためかわからないのか?その反面、40代以上の女性と対話を重ね、後に続く若い女性のためのロールモデルになるべく機会を提供し始めた企業もちらほら出てきています。(大砂)

 

もう何を言ってもむだ、とさえ思わせられるジェンダーギャップ指数120位。何だかこの話には疲れて来ました。が、そうも言っていられないので、今年気付いたことをいくつか。

ジェンダーフリーは目的ではない

今年の新聞論調をいくつか比べてみて、一番違和感があったのが「女性の幹部登用に積極的な会社は消極的な会社に比べ利益率が高い傾向にある」(日本経済新聞)という考え方です。もう20年以上前、米国の巨大企業で年金運用を担当した経験では、そもそも役員に男性しかいないような、成長する意識を持たない企業に投資したことはありません。女性を活用する企業が投資に値するのではなく、優良企業はジェンダーフリーなのです。性別であれ人種であれ、個人の能力ではなく属性に注目するような企業に明日はありません。そんな日本の大企業が次々と身売りしているのが何よりの証拠。

私たちの幸せを基本に置きましょう

長年の金融アナリストとしての経験から言うと、優良企業は年齢も性別も関係なく社員が自然に明るい。社員が不自然に礼儀正しい会社はパワハラ系が多い。その理由は、社員が自分の生き方を信じていないから。何が優良企業の条件か、例えばジョンソン&ジョンソン社の「我が信条」を見れば分かります。公開されていますから、ぜひご一読下さい。

「我が信条(Our Credo)」とは | ジョンソン・エンド・ジョンソン (jnj.co.jp)

(社員の多様性と尊厳が尊重され、能力がある人々には、雇用・能力開発および昇進の機会が平等に与えられなければならない)

 

企業は、組織は何のためにあるのか。それは変化する環境と、今を生きる人々の幸せのためではないでしょうか。ジェンダーという課題は、それだけでは完結しません。自分と人々の幸せのため、と考えないとこの困難な世界を乗り切ることは出来ないと思います。(熊井)