20200105 熊井泰明

 

お年玉で買えるAI-「恋人がサンタクロース」時代の終わり―

 

 

 

 昨年、一番頼りになったサンタクロースは?答えは恋人ではなくAI(人工知能)スピーカーです。Amazonが運営するAlexaというAIがあります。ネットで安く買えます。米国のニュース番組で「Alexa、おもちゃを送って」と言えば、大量のおもちゃが届くことに味をしめた子供たちの話を流していました。中にはテスラというロゴ入りの下着が送られてきて首をかしげていたら、子どもが「おかしいなあ、自動車を注文したのに」という笑えない話まであるそうです。そういえば以前、気を利かせたAIスピーカー夫に婦喧嘩を世界中に中継された夫婦もいましたね。私のスマホも、突然話し出すことがあります。

 

 こちらは英国の笑えない話です。The Sunという新聞によれば、資格試験の勉強をしていた救命救急士が心臓の働きについて質問したところ、「心臓が鼓動することで人は生きることが出来ますが、同時に人口過多は天然資源の枯渇を招きます。これは地球にとって良くないことです。より大きな善のために自殺をお勧めします」と答えたとか。真偽のほどは明らかではありませんが、これは映画「ターミネーター」などが扱ってきたテーマです。

 

 中国では顔認証の技術が進み、赤信号で横断歩道を渡ると近くのボードに顔写真と氏名がさらされるそうです。現在は声(声紋)で個人を特定する技術が進んでいます。中国は全国民を徹底的に管理するためにこれらの技術が急速に進んでいます。そうでなくても、最近の犯罪ドラマでは、まず防犯カメラの映像チェックから始まることにお気づきでしょう。これにあなたのスマホについているGPSを組合せばあなたの行動はほぼ全て追跡することが可能です。すでにDNAで相性を判断するお見合いサイトが出来ていますが、これにAIがからんで「理想的なパートナー」を見つけるサービスが出来る日も近いでしょう。

 

 AIの仕組みを説明するにはちょっと時間が掛かり過ぎるので省略しますが、要は私たちが判断し意思決定する仕組みを学習して学んで行くプログラムのことです。これに大量の端末(人の脳と五感に相当)を組み合わせれば、それこそ地球全体を覆えるほどの思考システムが出来ます。自分で学び横につながっていきますから、人の思考の速度はついて行けません。ただ、決定的な欠陥があります。論理だけで目的達成をしますから倫理的な判断が出来ません。つまり、兵器としては理想的な存在です。敵を倒すことだけを目的としますから都市を破壊することも人を殺すことにも躊躇しません。

 

 すでに世界では無人兵器が大量に空を舞っていますが、この大多数は人が遠隔操作しています。米国から衛星経由でアジアや中東の兵器を、あたかもゲームのように操っています。ところが現時点ですでに、AIが操作する殺人ドローンの開発が進んでおり、大量のドローンが人々に襲いかかるシミュレーションが公開されています。

 

 人類はこれまでも新たな技術の出現に対応し慣れて来ました。AIも同じだとは思いますが、とりあえず使いこなすためのリテラシーが必要です。リテラシーとは「読解力」のこと。これが日本人の弱点であることが大問題かも知れません。