20200911 熊井泰明・大砂雅子

 

お笑い総裁選―昭和のオジンに少子化・女性活躍を語らせるー

 

 

 

 まもなくこの国の新首相が決まります。女性活躍と少子化対策については、ほぼ思考停止です。ほとんどが問題の本質を理解していないと思います。S候補は、人口が多いことが経済力に直結していることは自明なのに、経済力の源泉である消費者としての人口維持をあきらめています。多分総裁になれないであろうI候補が唯一、わかっている感ありますが、地方創生担当大臣をした結果が現状ですから、具体策を知りたいです。

 

 K候補ときたら、「出産を望む女性に出産費用の全額負担」とありますが、その前に結婚できない。子育てできない。高等教育の資金を捻出できない若い夫婦の問題があります。ちなみに普通の分娩をすれば、健康保険でかなりカバーされます。お金がかかるのはそれからです。さらにどのような子育てをしたかについては、「父親の背中を見せて育てた」です。現在の問題は日本の男性の家事・育児参加時間が少ないことが問題であり、そのため社会が各種取り組みを始めています。自分の子育てを反省するでもなく、家事・育児は女性の仕事であると断言しています。女性が活躍するには、家事・育児・仕事もして、長時間労働の男性と同じ土俵に乗ってくれれば、活躍させてあげる。という姿勢です。(大砂)

 

 日本で女性活躍が進まない理由として言われるのは、そもそも女性が活躍を望んでいない(はずだ)というもの。この考えを言い立てる人は、簡単にいえば「鶏と卵」の関係で逃げているだけです。女性にやる気がないのか、環境が整わないから活躍の場が作りにくいのか。もう原因は分かっているのですが。

 

 あまり新聞などでは取り上げられていませんが、次の自民党総裁(=次期首相)候補者が会見で言及したのが「自分で出来ることは自分で、それが無理なら家族や地域で、それでもだめなら『信頼できる国』が」という「自助・共助・公助」という言葉でした。つまり、あなたが抱えている問題は基本的にあなたの自己責任、ということです。

 

 もう皆さん十分に認識されていると思いますが、私たちの幸せは個人の努力と国家あるいは世界経済の2層の上に成立しています。個人の努力は必要であり大切です。しかし、それが生かせる状況と制度的な支援がなければ、個人の努力で解決できる限界を超えています。参政権が認められてこそ女性の政治リーダーが力を発揮出来たのです。一部の反対勢力には「過激」と思われるように制度を変えないと何も前に進みません。

 

 順番は逆だと思います。公助の制度や体制の支持があり、それを支える社会があり、安心して個人が努力できる。そんな期待は無理難題なのでしょうか。ちなみにこの発言をした候補者が次の首相になる可能性はもっとも高い、と評価されています。

 

なおこの人は「少子化は止まらない」と述べましたが、多くの国で少子化を止めようという努力がなされ、成果を上げて来ました。この国のリーダーになろうという人が、その努力をするつもりはないことを明言してしまったことを、私たちはどう受け止められたらよいのでしょうか。(熊井)