20200512 熊井泰明

 

コロナ混乱:アホノミクスに負けないために.

 

 

 

倒産はこれから増える

 

 東京商工リサーチによると、新型コロナ関連倒産は、22件、323件、484件と急増しています。さらに、全国銀行協会によれば、3月に不渡りとなった手形数は1,560件と昨年の倍、金額は100億円と同8倍になっています。倒産する前に廃業、という声も高まっていますが、四半期決算が出る6月末に向けて倒産数の増加は避けられそうにありません。

 

大幅失業増加が懸念される

 

 米国の3月の失業率は1948年以降最悪の14.7%となりました。ただ、多くは一時帰休のため、時期がくれば復帰の可能性が残されています。これに対して日本では完全に雇用から締め出される人の増加が懸念されます。現在の失業率は2.4%、失業者は約164万人ですが、年内には4%程度まで上昇、失業者は270万人程度に増加することが予想されています。特に制度の安全網に係らない、全体の約4割を占める非正規労働者の今後には大きな懸念が残ります。1回のみ10万円の融資ではどうにもなりません。

 

政策的に打つ手が限られている

 

 経済政策には、大きく2つの手段があります。ひとつは政府による財政支出や増減税などの財政政策。もうひとつは、日銀による市場への資金供給という金融政策です。財政政策については、国民への緊急資金融資が決まっていますが、1,000兆円を超える負債を負う政府は慎重に事を進めざるを得ません。日銀はすでにゼロ金利を継続しており、ゼロ以下には下げられません。もしも、その限界を無視して拡大を続けた場合、制御不能なインフレを引き起こす可能性も視野に入れる必要があります。

 

オリンピック開催はほぼ不可能

 

 ワクチン開発スケジュールから考えると、来年7月に世界中の人々が東京に集まれる可能性はほぼ皆無だと思われます。選手の選考や練習も進んでいません。途上国では感染拡大が続いています。膨大な時間を要するボランティアの訓練や、選手村の扱い(開催後、民間に分譲される)も決まっていません。現時点で中止すれば延長費用の約3,000億円負担(負担は東京都に係って来る可能性大)で済みますが、もしも中止して保険でカバーできなければ1兆円を超える負担が懸念されます。オリンピックを開催しようという奇特な国家や都市を見つけるのに苦労するため、IOC(国際オリンピック委員会)は反対するかも知れませんが、背に腹は代えられません。この時点で政府は明確な準備をしておらず、すでに多くの国民は開催不可を理解していると思われますが、一刻も早く正式表明すべきです。