20201020熊井泰明・大砂雅子

シングルマザー貧困激増の原因-安易に結婚も出産もしてはいけない-

 

厚生労働省が発表した2016年度の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」の結果から、日本ではひとり親世帯の貧困率が高いことがわかります。相対的貧困率が全体で15.6%だったことに比べ、大人が1人の「子どもがいる現役世帯」では50.8%です。母子家庭(シングルマザー)は、123.2万世帯。さらに、平均世帯年収を見ると父子家庭よりも母子家庭の方が低い。子供がいることがハンディとなり、非正規雇用が43.8%。平均年収では、女性が243万円にたいし、男性は420万円。

Gooddoよりhttps://gooddo.jp/magazine/poverty/single_mother/

コロナ禍でさらに状況は悪化しています。食事も教育もしっかりできない。結婚と出産の前に、よく考える人が増えているのが、未婚率が高くなった原因でしょうか。(大砂)

 

 世界で一番離婚が簡単な国

それが日本、って知ってました?日本では離婚届にハンコさえ押させてしまえば、男性は以後子供の養育費など何の保障をしなくても、離婚可能です。江戸時代の「三行半」からの伝統でしょうか。

先進国では離婚は簡単ではない

例えば、米国ではドライブスルーで可能なネバダ州を除くと、弁護士の立ち合いのもと裁判所へ行かないと離婚は出来ません。そこで子供の養育、資産分割などで合意して初めて離婚が成立します。オンライン結婚・離婚が可能だったデンマークでも、3か月の期間をおいて手続きが可能です。この間にいろいろな手続きを進めるか、お互いの関係を確かめることになります。また、行政手続きの99%が電子化されているエストニアでも、結婚と離婚は本人出頭のうえ第三者の前で手続きが必要です。

実はハンコにはさほど意味がない

規制緩和に関連して各種手続きのハンコを廃止にするという話のなかで、結婚、離婚手続きもハンコ不要にしようという話が出ています。そもそも法的には自署で事足りますし、100円ショップの、いわゆる三文判で可ですから、あまりハンコに意味はありません。ハンコ廃止を言い立てるのは、個人的には「やってる感」を出すための演出だと思っています。

男にとって都合の良い離婚条件

問題は、男にとって大変都合の良い離婚が簡単に出来ること。養育費や慰謝料など経済的負担をせずに、女性が「なんでもいいから分かれて」というまで、執拗にDVや嫌がらせをすればそれだけで離婚可能です。憲法第24条で「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」とありますが、一方で民法第739条では「戸籍法の定めるところによりこれを届け出ることによって、その効力を生ずる」とあります。逆に言えば「合意に基づいた」ことを届出れば成立ですが、逆に合意がなくなったことを届け出れば離婚成立です。子供の養育はどうしますか。共通の資産はどう分配しますか。そんなことは問われません。ハンコだけ。

個人的には、根本に「家」と戸籍制度があるからだと思います。個人と個人なら客観的に、それこそ第三者の証人を立てて考え決めれば良い。日本の離婚率は35%で増加傾向です。そろそろ制度を見直さないと、女性はますます弱い立場に追い込まれるのでは。(熊井)