20200613 熊井泰明・大砂雅子

 

ニューノーマル(新常態)7 地方回帰のワナ

 

 

 

5月に政府が発表したところによると、1月末に首都圏在住の1万人にネット調査を行ったところ、49.8%の人が、地方移住に関心を示し、若い世代ほど関心が高いとのことです。政府は地方移住の広報戦略に生かすとのことですが、それは本当に可能なのでしょうか?

 

コロナ騒ぎの直前のアンケートですが、今では地方でも雇用情勢悪化が進展しています。

 

 

 

エッセンシャルワーカーという働き方

 

 エッセンシャルワーカーとは、医療従事者、警察・消防関係者、公共団体関係者、銀行やスーパーマーケット勤務者というようなライフラインに関係する労働に携わる人々のことを指します。土地に紐づけられていますが、ライフラインに関係するため、敬意をこめたニュアンスがあります。一方で、地域という課題への対応が求められ、給与が地域の水準に左右される可能性があります。

 

 「地域の専門家」なら良いのですが、誰にでも出来る仕事をたまたまその土地に居る人が担当する、となると、その土地の給与水準になってしまうリスクもあります。

 

 

 

リモートワークの問題点

 

これに対するのがリモートワーカーという言葉で、日本あるいは世界のどこに居ても自分の仕事が出来る人です。ただ、こちらはグローバル化に伴う問題もあります。インドでソフト開発が成長したのは、同じ仕事をするなら給与が安い者に仕事が集中する傾向が否定できません。いつ「別にあなたでなくても」と言われるかというストレスがあります。地方でも同じ仕事が出来るから地方に移住する、という考え方もあるでしょうが、先端産業のICTの世界でも、成長しようとするとFTF(対面関係)のネットワークが重要になりますから、移住したら「あ、こっちで良い人が見つかったから」というリスクも残されています。

 

 

 

個人の生き方が問われる

 

 地方都市に住んでいる人にとっては、地域に紐づいた仕事をするという選択はあると思います。ただ、地方公共団体に属する人や親の仕事を継ぐならともかく、新規参入は極めてリスクが高く難しいと思います。一方、都市に住むのはコストが掛かりますが、新たな試みが受け入れられやすく、しかも多彩な人材の集積で新しい事業展開には有利です。

 

 あなたの仕事、これまでとこれからの生き方で考えるのがこれからの働き方を左右するのでは、と思います。