20200616 熊井泰明・大砂雅子

 

ニューノーマル(新常態)8 首都圏と地方都市と過疎地

 

 

 

都会の方に伺います。日本は、首都圏と地方の二つに大別できると思っていませんか?地方にいるとそうではないのです。地方には、金沢のような地方都市と、能登・加賀地方の過疎地が別の意味で存在しています。都会から講演に来る方に私はよく質問します。地方を県庁所在地と過疎地(人口消滅可能性都市)を一緒にして、「地方対策」と言っていませんか?

 

 友人(男性)が北海道の原野を購入し、知人たちと開発計画を夢見ました。その奥さんは現地に同道して、10分で「東京に帰る」と言い出したそうです。(大砂)

 

 

 

「都市離れ」と「都市圏離れ」

 

 在宅勤務、リモートワークの普及で「会社に行く必要ないだろ」という声が出ています。これに伴って、都市離れの転職希望が増えている、という報道もみられます。そこで、転職コンサルタントなどのコメントを拾ってみました。

 

 まず、「どこでも出来る特徴ある仕事のプロ」である人は問題ありません。主にIT技術者などの専門職と経理などのバックオフィス業務です。営業でも、B2B(製造業などで企業同士の関係を中心に活動する)ならネットで可能でしょう。こういう人は、週に1,2回出社すればよいのであれば、例えば関東地区では通勤には大変でも住環境の良い湘南地区などに移り住む選択はあります。

 

 

 

付加価値と自由な生き方は認められるのか

 

 では、脱都市圏はどうでしょう。例えば、経済産業研究所による「石川県加賀市の人口減少の要因」などの研究によると、「東京在住者で移住を検討している」人が4割もいる一方で、この人たちの「不安・懸念」の第一は「働き口が見つからない」が4割もいることです。地方都市の地元企業に、こうした付加価値だけで勝負しようという人の自由な生き方を受け入れる余地はあるのでしょうか。「貧すれば鈍する」という期待がないわけではないのですが、そのあたりに期待と懸念が錯綜しています。