20200312 大砂雅子

 

「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」

 

 

 

「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」(堀内都喜子著)を読みました。一人当たりGDPは日本の1.25倍です。どうしたら北欧並みの生活ができるでしょうか?

 

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784591165904ワークライフバランス世界1位。フィンランド流ゆとりのある生き方。フィンランド人は、仕事も、家庭も、趣味も、勉強も、なんにでも貪欲。でも、睡眠時間は平均7時間半以上。ヘルシンキは、ヨーロッパのシリコンバレーと呼ばれる一方で、2019年にワークライフバランス世界1位に。やりたいことはやる。でもゆとりのあるフィンランド流の働き方&生き方の秘訣を紐解きます」と説明されています。

 

フィンランドといえば、34歳の女性首相、サウナ、マリメッコ、ノキア、森。高付加価値の高い産業と自然の豊かさを想像しますが、その根底にあるのが、日本人にはとても無理と思われる社会意識にあることに合点がいきました。

 

 新型コロナウィルスの流行で、日本では何とも皮肉なことに、無理やりのテレワーク、働き方改革が実現されつつあります。そして、日本人が突然家族と過ごす時間が増えてしまいました。日本の男性の深夜残業とそれを支える女性の家事・育児ワンオペは一体何なのでしょうか?フィンランドでは、「残業しないのができる人の証拠」とみなされるそうです。また子供や勤務地の関係で、在宅勤務をしている人が3割いるとのこと。パソコンと電話があれば、問題ないし、テレワークの管理ツールも必要としないくらい、効率的に成果を上げているとのこと。そして夏休みは2・3か月とり、有給取得率は100%。オンとオフのバランスがしっかりしていて、休んだ分だけ効率的・創造的に働けるようです。

 

昨年のWEF発表のジェンダー指数では、153か国中、日本は121位と順位を落としましたが、フィンランドは、アイスランド・ノルウェーについで3位となりました。ユニセフの調査では、一人親の状況は、日本では貧困率が50%を超えるが、フィンランドでは15%に満たず、世界的に女性の一人親の貧困率が高いのに、フィンランドはデンマークとともに唯一男性の方が若干高いとのこと。これは、男女ともに、性別、年齢、既婚・未婚にかかわらず、人生の次のステージへのチャンスが与えられていることと、その背中を押してくれる社会意識にあるようです。男女ともに、産業構造の変化とともに、失業の可能性は高いが、二人に一人は、転職の際に新たな専門や学位を取得し、結婚や離婚する間にも、勉強を続けて、まったく違う分野にチャレンジすることができます。それを支えるのが、職業学校や専門大学。今はヘルシンキ大学の無料AIオンライン講座を受講する人も増えているとのこと。

 

北欧といえば、豊かな時間や空間から生まれる幸福感や充実感を連想するが、最近はこれよりも「シス」という考え方がトレンドとのこと。「シス」とは、フィンランド語で、困難に耐えうる力、不屈の精神という意味合いだそうです。これは日本人の忍耐力に通ずるところがあるが、結果が異なるのは、日本の教育自体の不十分さが原因なのかもしれない。

 

「批判的な思考能力の教育において、フィンランドが1位、デジタルスキルやスタッフトレーニングでも上位に入っている一方で、日本は87位にとどまっている(WEF)」

 そして日本の性別・学歴・初めの職業・結婚相手で人生が決まってしまう硬直した社会構造が、フィンランドにはついていけない状況を作っていることを、理解させられました。