20191119 熊井泰明

 

「メガネ禁止の職場」#kutooどころの騒ぎではない

 

 

 

 ご存知ない方のために説明すると、#kutooとは職場でヒールのある靴を無理強いされている女性たちから沸き上がった悲鳴と抗議の声です。(分からない人のために「靴」と「苦痛」をかけていますので念のため)もちろん個人的に「私、ピンヒールで勝負する人なので」という方も存じ上げております。ですが、全ての女性社員に無言の圧力をかけている会社が存在するとは思いませんでした。

 

 ノンフィクション・ライターの窪田順生氏がなるほどと思うレポートをダイヤモンド・オンラインに公開しています。(https://diamond.jp/articles/-/220484)これをベースに良く考えてみたいと思います。

 

 「それはある会社の電話交換手の募集広告だったが、『身長1メートル53以上、眼鏡不可、容姿端麗』という採用条件である。デパートの店員や秘書、ウエートレス、レジスターなどならまだしも頷けるし、交換手に声のよしあしをいうのならともかく、姿が見えるわけでもないのに「容姿端麗」とはどういうわけなのか、全くわからない」(1970411日読売新聞)これはこのレポートで引用されている例なのですが、最近問題になった「眼鏡不可」とはなんだろうか、という問題提起と合わせて考えてみたいと思います。

 

 「きっかけは、ビジネスインサイダージャパンの竹下郁子氏による1025日の記事。百貨店の受付、ショールーム、宴会場スタッフ、美容クリニックの看護師など、実際に上司などから「メガネ禁止」を命じられている女性たちの生の声を紹介したことだった」この話はいろいろとマスコミでも取り上げられたので、ご存知の方も多いかと思います。

 

 これに対する経済同友会・桜田謙悟代表幹事の「ナンセンスとしか言いようがないですね。私はメガネの女性好きなので。そういうこと言うと、またいけないのかもしれないけど」というコメントが問題の本質をついています。つまり、この国は「男好みの女」を量産し、夫と専業主婦という家庭をつくり、夫が稼ぎ、妻が育児、家事、介護を負担すれば良い、という50年前のモデルを後生大事に受け継いでいるのです。

 

  世界経済フォーラム(WEF)が各国のジェンダー不平等状況を分析した「世界ジェンダー・ギャップ報告書(Global Gender Gap Report2018」で日本は149国中の110位。G7の中ではダントツ最下位です。それを改善しなければ、という危機意識を持つ人よりも、「日本は古来(実はここ70年程度の錯覚)からの美徳で生きている。そのどこが悪い」という開き直りのほうが多いためではないかと思います。

 

 良妻賢母を男性社員にあてがい企業戦士を育成する、というのが企業の役割、という時代が長く続いていますが、その状況に何の変化もない。危機意識すらない。そういう時代に生きている危機感を今の時代に生き活躍する人間として共有したいと思います。

 

【注】ここに引用したものは窪田氏のレポートによるものです。ぜひこのレポートの原本にあたって下さい。