20200407 熊井泰明

 

入社式ってなんだ―秘儀的集団参加通過儀礼―

 

 

 

 今年は企業の入社式も一斉は取りやめた会社が多かったようです。新卒一括採用という日本独自の雇用制度にしかない風景ですが、たかだか会社との雇用契約のためになぜ儀式なんて大仰なことをやるのでしょうか。

 

 歴史的には研修とセットで大正時代に定着したようで、それまでは業務の前後などに研修だけを行っていたとの記録があります。それが徴兵制に伴う軍事教練と重なったのでしょう。昭和時代には「企業戦士」などという言葉もありました。つまり入社式とは「この会社のメンバーになったからには自己を棄てて奉仕せよ」というイニシエーション(秘儀的集団に参加するための通過儀礼)としての位置づけなのでしょう。

 

 この秘儀的集団の意味を考えると、民俗学的にも歴史的にも「男だけの世界」です。神話的集団ですから、個々のメンバーの能力や個性は問わない。顔のない戦士。こうして育ってきた現在の経営者たちに、ジェンダー問題や働き方改革なんて期待するのは無理かも。

 

 なお、卒業式はGraduationよりCommencement (出発式)を使うことが多いです。

 

 

 

大砂雅子

 

金沢の入社式や入「組織」式をテレビで見ていると、前に男性が整列し、後ろに女性が整列している形態があります。不思議です。