20210322 熊井泰明・大砂雅子

「多様性」必要と言いながら、できないリーダーは即退場ください-遭難時の松・竹・梅-

 

 森喜朗事件で、女性蔑視はいけない。多様性が必要と再認識しましたが、オリンピック・スポンサー企業から、是正を求められながら、その企業自体が多様性を推進しているでしょうか?なぜ多様性が必要なのか。理解できないのではないでしょうか?簡単に言えば、日本の男性画一社会は、有能な男性(4分の1)、無能な男性(4分の1)が働き、女性はそれを補助するシステムと言えます。ここに有能な女性(4分の1)が、意思決定のできるポストに働くようになれば、有能な人間(2分の1)が、その能力と、多角的な視点をもって議論を進め、4分の1から、2分の1となって、2倍の効率性とイノベーションが発生するはずです。口だけのリーダーは時代遅れと言えましょう。(大砂)

 

 ある人が冬山で遭難して、救援隊が出ることになりました。隊長が家族に聞きました。「メニューはどれにしますか。松ですと救援隊に加えてヘリコプターが出動します。竹ですと救援隊だけです」家族が「では梅は」と尋ねると、「みんなで集まって心配するだけになります」最近の政府のコロナ対策をみていると、この梅の話を思い出します。

日本経済は「梅」レベル

 ちょっと経済学の基本の話をします。実は、経済成長の要因は3つしかありません。まず、労働力、資本、そして技術です。ただし、技術は前の2つで説明できない部分で、本当に技術革新であるかは不明です。これらをフルに使い切ったと仮定して成長できる力を「潜在成長力」と呼びます。ここまで言えばお分かりだと思いますが、人口が減少する日本の潜在成長力は先進国でもかなり低く、日銀によると19年では0.08%でしたが、20年には資本の寄与も減少してマイナス0.1%に転落しました。つまり、このままでは日本はもう成長出来ない可能性が高いことを認識しなければなりません。もう梅レベルなのです。

打開策は「多様性」

 

 人口減少、特に出生数の減少を食い止めるのは容易ではありません。しかし、手がないわけではありません。世界経済フォーラム(WEF)の報告書によると、日本は研究開発やインフラでは上位なのに、「労働力の多様性」では141か国中106位です。しかも前年の81位から大きく順位を落としました。もうひとつ、スイスのビジネススクールIMDが指摘するのは、日本の「ビジネス効率性」の低さです。つまり、日本企業が労働力の多様性を進め、効率性を上げればまだまだ成長余力は残されているのです。新型コロナ対応でリモートワークが進んだ結果、私たちにはいろいろな可能性が見えて来ました。さらに、恥ずべき契機だったとはいえ、ジェンダー問題を乗り越えることの意義も注目されるようになりました。この国の未来を梅レベルに留めるか、竹レベルを目指すのか、今が正念場です。(熊井)