20201008熊井泰明・大砂雅子

 

女性管理職が少ない本当の理由―「同調圧力」が日本をダメにする―

 

 

 

 ベストセラーになっている「同調圧力-日本社会はなぜ息苦しいのか」(講談社現代新書:鴻上尚史・佐藤直樹)を読みました。社会でなく、村社会である「世間」の枠内でしか生存できない日本社会をわかりやすく表現しています。家庭から学校、企業まですべてが、世間のルールに縛られている日本で、女性が管理職になることは世間のルールを逸脱しているのでしょうか?(大砂)

 

 

 

 「また管理職のオファーを蹴ってしまった」。後輩の女性からそんな連絡が来ました。これが爽快なのは、「だってあんな男たちの仲間に入れ、なんてそこまで自分をおとしめる必要ありますか」という彼女の物言いです。彼女は実力あります。パートナー(これが日本語にならないのが歯がゆい)としっかり家庭を築いている。それを会社のメンバーシップのために「犠牲にするつもりはない」。なかなかあっぱれだと思います。

 

 で、管理職について。私は専門職として管理職レベルをオファーされたので参考にならないかも知れません。しかし、仕事をするうえで最大の関門はOBN(Old Boys Network)です。多くの日本の会社では入社年次や職場遍歴が想定外の意味を持ちます。「同期」です。そこでは男たちを中心に、かろうじて許容される社会的逸脱を実践することでメンバーシップを維持します。こうしたクラブは英国や米国にはあったようです。ただこうしたクラブでは、セクハラや差別など明らかに社会的逸脱や犯罪行為なども「男には許される」ということで通用していました。それが共犯幻想としての通過儀礼とされているのです。

 

 彼女には「君はそれでいいと思うよ」と返しました。多分、これまでの日本企業の管理職の枠組みにとらわれない活躍をしてくれるでしょう。男性も、そんなOBNのメンバーになる必要はないと思います。欧米ではジェンダーの役割を固定した20世紀型が変わり、新しい社会モデルが出現しました。日本でも昭和型社会を変えませんか。(熊井)