20200923 熊井泰明・大砂雅子

 

女性活躍内閣とならないでね ―自助・共助・公助の話―

 

「女性活躍推進の扉は閉じたように見える」。菅義偉新政権が発足した16日、米ニューヨーク・タイムズはこう報じた。女性閣僚が2人だったことへの論評だった。

 

「前政権の継承をうたう菅首相だが、激変した女性雇用への対応策は今のところ聞かれない。活躍の扉は閉じかねない。」

 

これは、日経新聞922日の一面記事です。

 

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO64106830R20C20A9MM8000?s=2

 

課題は、山積しています。女性の非正規労働者が増加しましたが、コロナで激減。保育所の待機児童は減らず、出生率の低下に歯止めがかからない。女性管理職は世界最低水準です。不妊治療の補助は前進ですが、これが問題の解決になるのでしょうか?(大砂)

 

 

 

 相も変わらず女性をほとんど無視した内閣が出来ました。加えて相変わらず「自助」が引っかかってします。以前もご紹介しましたが、今も生きる1979(昭和54年)に自民党がまとめた社会福祉論で、その骨子は、①「ナショナル・ミニマム」の概念は有害無用であって、国家による「救済」はハンディキャップをもつ場合に限る。②リスクは基本的に個人(家族、親類を含む)が負担する。③「結果の平等」を追求するような政策は、「堕落の構造」を生む。④企業と競争的市場にまかせたほうが効率的な福祉の分野が大きい。

 

 安倍政権の7年間で、非正規労働者が4割まで増えました。この人たちがいかに過酷な労働条件にさらされているかはご存知かと思います。上の①はそもそも国家としてセーフティネットは用意しない、困ることは自己責任、困ったら自分で何とかしなさい、ということです。②がこれを体現しています。②の前提は、男性が家計を稼ぎ、女性が家事、育児、介護に専念する、ということです。

 

 最近、介護のために離職する人が、女性だけでなく50代男性にも広がっています。社会的セーフティネットが不十分なため、現役の人々が自分の人生をあきらめなければならない状態になっています。あくまで「家族」が全ての責任を負うことが原則とされて来た社会で、少子高齢化が進み、家族の人数が減って東京一極集中で何が起こるか。新首相が繰り返す「自助」の意味を注目し、監視する必要があります。(熊井)