20200131 熊井泰明・大砂雅子

 

新型コロナウイルスを正しく怖がる

 

 

 

 2000年から2004年にシンガポールに駐在しました。2002年末、SARSが発生し、シンガポールは流行国となりました。日系スーパーにマスクをして買い物に行くと、シンガポーリアンの子供から、「あのオバサン、マスクしているよ」と指さされ、感染者扱いされ、マスクを外した記憶があります。今各地で、マスクの品切れが発生しているのは、20年近く経ったアジアで、衛生観念が高まったのでしょうか?確かなことは、SARSの時より、外国人の入国が激増しており、観光業のみならず、地方も都会も、日本経済が外国人に大きく依存し始めていることです。(大砂雅子)

 

 

 

私は、この問題は専門ではなく毎日のように状況が変化しています。信頼できる報道等以外の情報については日々アップデートして下さい。(熊井泰明)

 

1.ウイルスは「生物」とは言いきれない

 

 ウイルスには細胞に相当するものがありません。ただ遺伝子は持っており、他生物の細胞を利用して複製をつくるのが特徴です。つまり、他の細菌のように感染して毒素を出したりする訳ではなく、取りついた生物の細胞を乗っ取るのが特徴です。分かりやすいのはAIDSウイルスで、これに取りつかれると免疫を失うことで重症肺炎や皮膚炎などでも死に至ることがあります。つまり、ウイルスに感染すると乗っ取られた細胞にストレスがかかり、いろいろな症状が出てくるのです。代表的な病気は風邪です。AIDSや劇症性でなければ、自分自身の細胞が戦って症状を押さえます。インフルエンザもワクチンで免疫を作ればかかりにくくなります。現在流行しているコロナウイルスにはまだワクチンはありません。また抗生物質も効きません。一般の風邪と同じです。

 

2.どのように感染するのか、予防するのか

 

 基本的には、飛沫感染(他人の呼気や唾液の飛散)と接触感染です。つまり、感染した人に接近しなければ良いのです。ところが今回は中国のお盆にあたる「春節」だったため、たくさんの人が移動することでウイルスをまき散らす可能性がある、という最悪の時期になってしまいました。予防法ですが、まず人ごみに行かないこと。それが難しければマスクの着用手洗いです。ウイルスは分子サイズですが、自分で飛び回ることはありません。しかし、マスクでウイルスそのものではなく感染が疑われる人の呼気などを防ぐことが出来ます。また、細胞に寄生しているので、他人が触れたところに触れないことが重要ですが、完全には難しいでしょう。電車に乗れば階段の手すりやつり革などに触れます。そこでひたすら手洗いで洗い流すことが効果的とされています。

 

3.その他気付いたこと

 

 今回のコロナウイルスは、感染性は高いものの、症状はあまり深刻ではないようです。死亡した人々は、体力で劣る高齢者や何らかの持病を持つ方が多いようです。また、子どもの感染が少ないことも特徴ですが、これは感染経路に関係あるかも知れません。

 

 ウイルスは次々と形態を変えて行きます。インフルエンザも型がたくさんあります。ですからコロナウイルスも「現時点では」とは言えても、今後のことは分からないことがたくさんあります。2003年のSARS2012年のMERSもコロナウイルスが原因でした。

 

 発症者や死亡者の人数は参考になりません。症状が軽いので、実際にはもっと多数の感染者がいる可能性があります。ネット上の情報には注意が必要です。閲覧数を稼ぐための過激で怪しげな発言が散見されます。不要なら人ごみには行かず、マスクを着用してまめに手洗いをすることが一番大切なように思います。