20201203 熊井泰明・大砂雅子

新型コロナ第3波到来-「失敗の本質」を見抜いて新しい社会は来るかー①

 

3波が到来し、重症の患者数が過去最高となりました。ただ、ファイザーのワクチンの認可が下りて、米国や英国で接種が始まります。この暗い1年が終わる先に光明が見えてきました。更なる自粛が要求されますが、まずは健康を保持して、経済の立て直しの方向性が見えてきました。この1年で、かつて変革を求め、変えるべきと言われていたことが、突如簡単に変更されたり、今までの価値観が音を立てて崩れたり、多くのことが起こりました。掛け声だけだった、グリーン革命、研究開発、女性の人権問題、デジタル化など、必要に駆られて前進しつつあります。身近のところでは、オンライン授業、ハンコ禁止、携帯電話の値下げ等々。争うよりも、情報交換して、国際協調をしない限り、人類は生き残れない。ナショナリズムより、グローバル化の立て直し、人類はコロナで多くのことを学び、気づきました。我が国では、第3次補正予算が打ち出されましたが、変革すべきものの強化に使ってほしいものです。(大砂)

 

「ミッドウェー島を攻略し(中略)敵艦隊を撃滅するにあり」

これは1942年(昭和17年)6月に、戦力では圧倒的優位にあった日本海軍がほぼ壊滅したミッドウェー海戦にあたり、海軍が出した指令です。(戸部良一他「失敗の本質」より)この指令のおかしなところが分かりますか。

日本に多い二重目的

 この指令を受けた艦隊は、「島を攻略する」と理解するグループと「敵艦隊を撃滅」と判断するグループに分断されました。その結果、200隻の軍艦が勝手に動き、海軍が壊滅に近い敗戦を喫しました。この「失敗の本質」という書籍は日本人ビジネスマンの必読書のひとつです。理由は、日本の多くの企業が同じ過ちを犯してきたからです。企業経営はかなり改善されましたが、政府の文書の多くは二重、三重の目的が併記されています。目標と手段、戦略と戦術が一致しなければ、悲惨な結果を招きます。

経済と感染を抑えることは一致するか

 

 新型コロナの感染拡大を抑えた国の例をみると、まずは徹底的な検査と封鎖で抑え込み、その結果、経済も順調に回復しています。目的は感染抑制、手段は検査と封鎖。この一致が成功を導いたのです。一方、個人が自分の価値観で行動する欧州や米国は、かなり深刻な事態を招いています。日本で最も懸念されるのは、政府が感染対策をためらう一方で、一連のGoToキャンペーンなど拡散の懸念がある経済対策には熱心です。さらに、もしオリンピックが開催されれば、相当数の人が緩い条件で来日します。これが「失敗の本質」として、国民に悲劇を引き起こさないことを祈るばかりです。(熊井)