20200119 熊井泰明

 

未来を先食いして子孫に何を残すのか-「飛び恥」から考える自然環境-

 

 

 

 久しぶりに飛行機で移動しました。(「飛び恥」(flying shame)とは、環境負荷が大きい飛行機による移動を恥じるべき、という言葉です)羽田を離陸した飛行機は北へ向かうのでなければだいたい富士山の北側を飛びます。そこから見えた富士山は、この季節に山頂が冠雪しているだけ。眼下の三峯山地には全く雪がありません。さらに南アルプスから上高地、北アルプスと飛んでもやはり山頂部分がわずかに雪に覆われている程度です。

 

 気になってスキー場を調べてみると、あの山形蔵王でさえ「滑降不可」や「一部可」が並んでいます。志賀高原の高い場所でも一部滑降不可だったり、大豪雪地帯の長野県飯山市は積雪ゼロになっています。

 

 日本のあちらこちらで積雪がわずか、ということは、農作物を潤す雪解け水が期待できないということに他なりません。つまりこれからよほどの降雪がなければ、今年の日本の農業は大変なダメージを受ける可能性があります。

 

 そういう考え方が科学的かどうかは分かりませんが、昨年、世界の自然環境は限界点(Point of No Return)を越えてしまったのではないでしょうか。日本は二つの大型台風に襲われ、世界で最も被害甚大な国という記録をつくってしまいました。ブラジルのアマゾン、オーストラリア東岸では火災が広がり、特にオーストラリアでは4か月にわたって10万平方キロが燃え10億匹の野生動物が被害を受けたと伝えられています。日本の面積の約4分の1が被害を受けたことになります。

 

 一方、昨年10月にスペインやイタリアでは100年に一度の豪雨に襲われて大きな損害が発生しました。また、同じ時期、米国では記録的な寒波に襲われています。日本を襲った大型台風の発生理由は、太平洋の海温上昇により、通常なら冷却されて力を弱める台風が逆に巨大化したためと言われています。

 

 これが全て温室効果ガスによる温暖化の影響なのか、断定はできないかも知れません。しかし、全くの素人判断ですが、例えば中国14億人が日本人と同じように生活したとすると、自然が受け止めることが出来ないほどの熱エネルギーが発生し、その上空のジェット気流に影響が出ても不思議はないように思います。もちろん中国だけの責任というわけではなく、人類全体のエネルギー過剰消費が問題を引き起こしているのでしょう。

 

 さらに地震でも不気味なデータが出ています。昨年、300年以上地震が記録されていない欧州のアルバニアでM6.4の地震がありました。また、最近では毎日のように日本各地で小さな地震が記録されていますが、南海トラフの7か所でプレートの境目がゆっくりと動くスロースリップという現象が観測されていた、との報道もありました。

 

 ともかく自然の変動が極端になっています。台風や地震の発生予測はまず不可能です。最悪の事態を想定して、何もなければラッキーと考えたほうが良いかと思います。「想定される最悪の事態は必ず起こる」(マーフィーの法則)と言われますから。