20210607 大砂雅子

「男性版産休」成立-覚悟のない日本の上司と夫―

 

6月3日に、男性が育児休業を取りやすくする改正育児・介護休業法が成立しました。さらに男性は子供の誕生後8週間まで、最大4週間の産休を取れることとしました。

男性も「産休」最大4週間、22年度から 改正法成立: 日本経済新聞 (nikkei.com)

この男性版産休法は、来年4月からは、対象の男性社員に当該制度を説明し、取得を促し、再来年からは企業がデータを公表することになります。日本の男性の育児休業に関する制度の充実度は、収入の保障もあり、OECD加盟国など41か国中1位にも関わらず、取得率がわずか7%程度。コロナのワクチン接種で、優先接種が必要なほどの重症化、デジタルデバイドなど、高齢化社会の問題が明るみに出ました。コロナによる出生数激減と合わせると、労働力も、介護者も、消費者も減少する恐ろしい少子高齢化社会に突入することに危機感を持った対応と言えます。

 

 産後の2か月くらいは、母親にとって、母になった喜びが過ぎ、地獄の日々が待っています。特に初めての子供の時は、何もわからないのです。赤ん坊はお構いなく泣く。23時間ごとに、お腹がすいて泣く。排便・排尿で泣く。暑くても寒くても泣く。普通に泣いている分にはいいのです。熱が出たり、発疹が出たり、下痢したり、吐いたり、こちらも泣きたくなります。わからないのは、ママもパパも同じです。私は、産後に実家に帰ってからも深夜に、夢の中にお化けが出てきた感じがした後、横で泣いている赤ん坊に気づき、正気に戻りました。二人目の時は、2か月実家に居座りました。亡き父は、孫の世話に疲れ、「(私の夫に)父親の自覚を持たせるために早く帰れ」と言い出す始末。たぶん、時代が30年経過しても、実家に帰って出産と産後を過ごしている女性は多いかもしれません。最近は実家のスタイルも多様化し、若い夫婦だけ、あるいは若いママだけのワンオペがあるかもしれません。

 「男は仕事、女は家庭」という根強い性別差別意識のある中高年の男性に、いかに育児が大変かわかってもらうには、一度赤ん坊と二人だけで数日過ごして見るといいかもしれません。あるいは、伝説の「逃げる恥だが役に立つ」(新春スペシャル)をネットででもご覧になるといいかもしれません。みくりと平匡のカップルに子供が生まれ、二人で育てようと決めた矢先にコロナが蔓延し、やむなくみくりは実家に帰ることになりましたが、それまでの二人の育児の奮闘ぶりは、若いカップルの初めての育児経験そのものでした。産むのは、女性しかできませんが、育てる基本は夫婦なのです。

 私が勤務する大学は9割が男子学生ですが、彼らの就職先選定の基準は、仕事の内容に合わせ、福利厚生を優先している感じがあります。休暇の取得状況、残業時間、転勤のないこと。現在の大半の日本企業の男性経営者から見たら、あり得ないと思うかもしれませんが、女性管理職も女性役員もいない企業では、それが当たり前かもしれませんが、世代によって価値観は大きく変わってきています。多分これから入ってくるZ世代の意識など、宇宙人かもしれません。

  今時珍しいかもしれませんが、家事も育児もできない若い男性が、もし産休を取ったら、妻の足手まといにならないように、精一杯頑張ってくださいね。

 そして、一番の問題は、「パタハラ」です。すでにある制度を利用できない若い男性は、上司や同僚からの圧力を上げています。その人しかわからないという仕事の仕方が問題なのです。たった4週間。人生の大イベントにいどむ男性社員を応援できる働き方改革、チームワークや、フォローアップ体制を構築することが企業に課せられています。そして毎日残業せずに家庭に帰ることが必要です.

 

 日本の働き方は、女性が家事・育児をして、手が離れたらパートや派遣社員となり、男性の残業代(ムダも多い)が、家計所得の足しとなる方法が続いていました。管理職となると残業代はなくなりますが、部下の残業に付き合う男性も多いです。男女ともにずっと正社員で働いて、二人で稼ぎ、残業をしない方が、一家の収入は多く、家事・育児負担も軽減されます。

 役立たずだった我が夫は、今や家事をはじめ、孫のご機嫌取りなど、贖罪の日々です。「男性の家庭内自立」遅すぎることはありません。

 

 あなたの考え方と行動が、日本の女性活躍、少子高齢化、経済活動を救うことを忘れないでください。