20201115 熊井泰明・大砂雅子

「鬼滅」の大統領選挙-証拠がなくても「好き嫌い」で決めていいのか―

 

 選挙人300人以上を獲得しても、「選挙に不正があった」として敗北宣言をしないトランプ大統領。大統領でなくなれば、脱税で収監されるといわれています。証拠も出さずに選挙に不正があったと抗議し、デモするトランプ支持者たち。「トランプだから正しい」という理屈です。メラニア夫人は、離婚準備に入ったとか噂しきり。大統領職が終了したら収監とは、韓国化するアメリカと揶揄されています。証拠や理由がなくても、好き嫌いが優先するトランプ大統領とその支持者たち。韓国の「国民情緒法」※を思い出しました。世の中って、しっかり考えた末に物事を決めるべきところが、意外と「好き嫌い」で、物事は決まっているのかもしれません。韓国は情緒が勝っていますが、超大国アメリカがそうなっては困ります。(大砂)

 

 一応、トランプ氏敗退、バイデン政権誕生となる気配です。世界の枠組みを壊し、ウソにまみれた「真実後の世界」という言葉まで残したこの4年間。二人の得票数は僅差です。つまり、米国は分断されたまま。トランプ氏が去ってもトランプ的なものはこれからも米国を苦しめるでしょう。では、トランプ的なものとは何だったのでしょうか。

経済格差と地域格差

 かつてはアメリカン・ドリームという言葉があり、努力と運で人生は開けるという希望がありました。しかし、過去数十年を通じて格差は埋められないレベルに拡大。例えば、ハートランドと呼ばれていた米国中西部は「錆の帯」やパッシングランド(無視された土地)と呼ばれ、貧困と薬物中毒がまん延しています。有色人種や女性の台頭は白人男性には大きなストレスです。トランプ氏はそこに「すべてを壊せば君たちは楽になる」という言葉を注ぎ込みました。哀しみ、苦しみ、嫉妬などの負の想いがトランプ現象という「鬼」を誕生させたのだと思います。絶望ほど恐ろしいものはありません。

世界は救われたが米国は救われない

 トランプの米国は、多くの国際的枠組みから離脱することで国際協調の機能不全を招きました。バイデン新政権はこの修復に乗り出すことを表明しており、こちらは復活に向かうと思われます。自由主義世界が息を吹き返せば日本の安全保障にも良い話です。しかし、真っ二つに分断された米国の修復は容易ではありません。トランプ的な思想は残り、どちらの支持者にとっても、刃を振るうべき相手は友人であり、恋人であり、家族なのですから。米国には、なんと難しい課題が残されたことか。(熊井)

 

※韓国における国民情緒法とは

韓国における国民情緒法は、国民情緒に合うということさえ満たせば、行政・立法・司法は、国務会議の審議、大統領の条約締結などを経た既存の実態法に拘束されない判断や判決を出せるという、法律を軽視した風潮を揶揄した言葉で、皮肉を込めたもの。韓国内では法律、条令、条約をも超越します。

 

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