20190819 大砂雅子

 

「82年生まれ、キム・ジヨン」に見る日韓の病巣

 

 

 

「82年生まれ、キム・ジヨン」を読みました。韓国でベストセラーとなり、世界中で翻訳本が発売されています。韓国の今を生きる女性たちの姿を表現しています。大ヒットしていながら、韓国で「この本を読んだ」と言った韓流スターが非難されたりしています。非難する女性差別主義者(ミソジニスト)の男性は、この本は「単なる女性の妄想」に過ぎないと言います。彼らからすると、女性は男性より体力・能力ともに劣る上に子育てをする義務があるために、男性が厳しい社会で働き、女性は庇護されるものであり、何が不満なのか?となります。この女性主人公は、必死に勉強し、ようやく望まない会社に就職し、恋愛し、母となりますが、やむなく専業主婦となった彼女が子供と公園に行った際に、安いコーヒーを飲んでいただけで、のんきな「ママ虫」(害虫の意味)と揶揄されます。一人の人間として認められないことから、精神を病んでいきます。どんなに努力しても女性というだけで社会的に夢を実現できないという話です。私は2011年から2014年に韓国に駐在しましたが、韓国人の生きにくさと特に女性の立場を目の当たりにしてきました。少女たちは塾に弁当を二つ持っていくような努力をしても社会的には男性のおこぼれしかありつけないのです。ただ法曹界や公務員には女性が活躍しているのをテレビでも見ることがあります。彼女たちは血のにじむような苦労をしたはずです。私は68日に「韓国よりマシかー出生率0.98の衝撃―」というエッセイをこのコラムに発表し、韓国の現状をご紹介しましたが、その直後に、日韓関係が厳しい状況となりました。(https://www.kanazawa-kkj.jp/コラム-de-kkj/韓国よりマシか-出生率0-98の衝撃/

 

韓国も日本も世界の中で、ジェンダー指数(男女平等度)が低いことで有名です。今年の世界ランキングで、149ヵ国中、日本が110位。韓国が115位です。この根底には、どれだけ制度を整えても変えられない社会意識としてミソジニー(misogyny)があります。ミソジニーとは、男性からは女性蔑視。女性からは自己嫌悪のことで、「女性嫌い」とも言います。これは上野千鶴子さんの専門分野です。

 

さて、日韓の問題の根底にある歴史認識・反日感情ですが、戦後45年以上も経って1990年代から慰安婦の問題が取り上げられ、戦後生まれの私たちを悩ませています。日本も昔は貧しい親が娘を売ることは多くありました。韓国の慰安婦も親に売られたのでしょう。そして日本側は給料を支払っていました。本人たちの気持ちを思うとこのようなビジネスはあってはいけないことです。韓国は日本に責任を押し付けるだけではなく、自国のミソジニーに向き合うべきです。反日がエスカレートして、徴用工問題が発生し、日本企業の資産売却が決まりました。韓国への投資第一位(実行ベース)の日本に対してこの措置は、韓国経済の破綻を招きます。この判決を下した裁判官に女性が多いことは、韓国の社会構造の複雑さを物語っていると言うのは、私の考えすぎなのでしょうか?