日曜シェフの独り言

―「理想の夫」には落第ですが―

 

 私は「理想の夫からはかけ離れています」

 今回の投書のお話しをいただいた際に、まず申し上げた言葉です。自分の場合は、間違いなく妻からしたら落第点だと思います。

 

では、何故この様なタイトルのコラムに投書することになったのかと言うと、自分がSNSで上げている日曜限定の料理が事の始まりでした。はたから見れば、奥さんのために日曜日の料理を一手に引き受ける良き旦那!と映ったのでしょう。しかし実際のところ、そんな美しい話ではありません。私は妻と結婚して27年になりますが、結婚当初にいくつかのルールが妻から設けられました。その1つが「週末の食事は旦那が担当」というものでした。結婚当初は週末2日とも私が料理しなければならなかったのです。それが紆余曲折を経て、最終的に今の日曜だけに落ち着きいた次第です。よって自発的なものでなく、しつけられた結果なのです。

 

SNSでの投稿は、「日曜シェフ」と名付けています。主に夕食をメインに投稿していますが、基本は3食と後片付け全てです。きっかけは前述のとおりですが、料理経験は独身時代からありました。中学を卒業するまでを中南米で過ごした私は、母親が作る現地料理で育ちました。日本に帰国した後、それらの料理を自分も友人らに食べさせたいと思い、母からレシピを教わったのが私の料理人デビューです。初めて中南米の料理を食べた友人らは口々に「美味しい」と褒めてくれました。恐らくその時感じた喜びが、この27年間家族に作り続けて来られた同じ理由だと思います。また、海外(特に私が育ったラテン地域)では男が台所に立つことは決して珍しくはありません。料理によっては男が担当として決まっている国もあります(スペインのパエリア、アルゼンチンのアサード(バーベキュー)など)し、それに対して女性陣は味を褒めたたえます。このヨイショが男という単純な生き物には効果覿面なのです。

 

この様に私の場合は育った環境が影響していますが、冒頭に書いたとおり妻からしてみれば、まだまだ彼女の理想には程遠いようです。学生時代の寮生活、社会人になってからの単身赴任生活で一通りの家事は出来ますが、妻が理想とするレベルに達しているのは、料理と風呂掃除ぐらいです。女性の社会進出も進み、わが組織でも家庭と仕事を両立する女性が大勢います。その様な時代を生きる上で、男も同じ様に両立すべきではないかと思います。まずは、私みたいに得意分野から始めてはいかがでしょう?

 

ジェトロ・リマ(ペルー)事務所 設楽隆裕

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