―男性二人目の配偶者同行休業制度を利用―

 

私は政府系の団体に勤める53歳のおじさんです。妻とは職場結婚で、妻は現在も同じ職場に勤めています。子供は15歳中学3年生の息子と、11歳小学6年生の娘の2人。

21年夏に、妻がニューヨークの支所に駐在員として赴任することになったため、「配偶者同行休業制度」を使って会社に3年間の休業届を出し、子供達と共に「主夫として」妻に付いてニューヨークにやってきました。

我々夫婦が勤める団体は、日本と海外の貿易促進支援を行うことを主業務としているため、国内外に数多くの支所を持っており、従って私も典型的な「転勤族」です。これまで、国内は福岡、福島、新潟にそれぞれ24年ずつ、海外もフランス・パリに5年、アメリカ・サンフランシスコに4年駐在しました。

妻は、私のパリ赴任期間中に、わが組織初の欧州女性駐在員としてパリに約3年駐在しました。ちなみにそのとき一緒の職場になったことで、結婚することになったのですが。

2014年にサンフランシスコに私が駐在した時には、妻がその前年にわが社に導入された「配偶者同行休業制度」を使って、「主婦」として私の駐在に「同行」してくれました。

この頃から、私は、あと十数年のサラリーマン人生をどう過ごしていくかということを考え始めると同時に、共に過ごしていく妻のキャリアプランについてもセットで考えるようになりました。というのも、前述の通り我々夫婦は同じ職場に勤務しており、しかも我々のキャリアプランはこれも前述の通り「転勤」「国内外駐在」ということを抜きには考えられないからです。私の場合通常であれば、サンフランシスコから戻った後、50歳代の間に再度海外駐在することになります。ただその場合、「配偶者同行休業制度」は一人一回しか申請できないため、次の私の駐在には妻は退職しない限り同行はできないことになります。2人の子供のことも考慮しなければなりません。

妻ともこのことについては繰り返し話し合いました。妻の希望としては、「今の仕事は続けたい」「できれば再度海外駐在を経験したい」という2点でした。

このうち、妻の「海外駐在」の希望を叶えるためには、①私が2人の子供と日本に残って、妻が単身赴任する、②妻が2人の子供を連れて赴任し、私が東京に「単身留任」する、③それぞれが子供を一人ずつ連れて、「赴任」「留任」する、④私が配偶者同行休業制度を申請し、家族全員で赴任する、といういずれかの方法を選択せねばなりません。

こうしたことを縷々考え夫婦間で話し合っているうちに、約4年の私のサンフランシスコ駐在が終わり、日本に戻ることとなりました。妻は東京の本部に復職し、私は半年の東京勤務の後、今度は新潟県燕三条の地場産業振興センターへ2年間出向のため単身赴任することとなりました。

福島に続く2度目の単身赴任に加え、新型コロナウィルスの蔓延によって東京と地方の間の行き来さえも制限されるという状況が続く状況下、私も妻も「やはり家族は一緒にいなければ」という思いを再認識するようになりました。

2年の新潟出向生活が終わりに近づく頃、今後の希望するキャリアプランに関する人事当局の人事ヒアリングがあり、私はこの時、前述の考え方及び夫婦の話し合いの結果として、「妻が海外駐在の希望を持っていること」、「家族全員で赴任したいため、私が配偶者同行休業制度を使って休業および妻の赴任に同行したい」旨を伝えました。男性職員でこの制度を申請するのは当組織で2例目ということで、当初人事当局もびっくりしていましたが、その申し出の後しばらくして妻のニューヨーク赴任が内定しました。

 

こういう経緯で、私の「ニューヨーク主夫生活」が始まったというわけです。

 

(サンフランシスコ金門橋をバックに家族で)

 

永松康宏(ニューヨーク)