―ガネーシャの憂鬱―20201214

人間は歴史からやってはいけないことを学んでいるか?-2021年はどんな年に―

 

 100年前にスペイン風邪が大流行した後、第1次世界大戦がはじまりました。戦争の原因は経済的な要因が大きいです。コロナの後に、打ち出せる経済対策は残っているのでしょうか?日本社会を救うのは、女性かもしれません。女性の資質を高める意識も、その経済的自立も、多様性も、不足している日本。救いがあるとすれば、潜在能力がありながら、活用されなかった女性の力がまだ残されていることです。(大砂)

 

 最近、松任谷由実さんがニュース番組などに顔を出し、今年の経験を語っています。人との関係を制限されることのつらさと同時に、来年はたくさんの人を巻き込んで音楽を再構築したいと話していました。来年のキイワードはこの「再構築」かも知れません。

 

コロナ収束が一番のリスクか

 いま、各国の金融関係者の間でささやかれているリスク・シナリオがあります。それは何らかの要因で新型コロナが収束すること。現在、世界中の政府と中央銀行は、この状況に対応するために異常な政策を容認しています。具体的には、財政規律(大幅な赤字財政)と過剰流動性の容認(マイナス金利など)です。しかし、新型コロナが収束に向かった場合には、これを正常化しなければなりません。正常化しないと、次の危機のときに対策が採れないからです。その時に起こる財政と金融の引き締めは、日本が1990年に経験しました。

 

日本経済の最悪期はこれからか

 世界経済が正常化に動いた場合、もっとも大きな打撃を受けるのは日本である恐れがあります。ひとつは、財政規律が狂っており、日本政府が世界最悪の「異常な」借金をしていること。経営に携わる方々はお分かりでしょうが、負債は返済日が決まっている「現実」です。今は借り換えでしのいでいますが、政府予算の1/3は借金、しかもこの一年、膨らみ続けています。政府は自国通貨建ての借金は無限に出来る、というトンデモ話が広がっていますが、そろそろ限界が近づいていることも意識したほうが良いと思います。

 

雇用が最大の問題

 多くの日本の経営者は経営環境が悪化すると、給与や雇用の削減で乗り切ろうとします。今年の冬のボーナスは、上場企業の4社に1社は2桁減額、中小零細企業では4割近くが支給されない見込みと答えています。来年も期待薄ですが、もっと大きな問題は、これまで非正規労働者中心だった雇用調整が正規労働者にも広がり始めていることです。

 暗い話ばかりで恐縮ですが、ワクチン接種が始まったとはいえ、新型コロナの経済への影響はこれからです。もう世界は元には戻らず、新しい秩序に再構築されつつあります。ちなみに、スペイン風邪が流行したのは1919年。1920年にナチスが誕生。1924年からの株式高騰は1929年に大恐慌を引き起こし、その10年後に第二次世界大戦が勃発しています。それは、ほんの100年前の出来事です。(熊井)

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