20200605 熊井泰明

 

改正年金法のポイントⅠ(自分で運用する年金になる)

 

 

 

 新型コロナに関する混乱が続く中で、29日、年金関係法が改正されました。大部分は22年以降の実施なので、今年から変わるiDeCo(個人型確定拠出年金)について簡単に説明します。

 

おなじみなのは確定給付型年金

 

 まず、年金制度には2つの基本形があります。私たちになじみがある年金制度は確定給付型(将来、受取る金額がある程度決まっており、ここから逆算して個人や企業の拠出金が決まる)と呼ばれます。ただ、この制度には欠点が大きく二つあります。まず積立金は毎年少しずつ増える、という前提で設計されています。ところが「厚生年金規則」に定められた予定利率は平成21年以降4.1%となっています。ご存知のとおり現状はほぼゼロ金利ですから、大幅な積み立て不足が発生します。企業にとっては、将来の企業年金は超長期負債ですから、財務上大きな負担になります。これからの変動リスクが関わってきます。

 

確定拠出型への移行

 

 そこで普及し始めているのが、確定拠出型年金(DC)です。これは拠出金が一定で、その運用次第で将来の給付が決まり、場合によっては目減りのリスクもある制度です。将来の不確実性に備えることが出来て、国や企業の負担も減ります。残念ながら日本の年金制度は現状維持が難しく、掛金の増額と給付の削減が避けられません。これを補うためには確定拠出型への移行が避けられません。なお、iDeCoは個人が拠出して作る自分年金です。

 

 今年改正されたのは、これまで従業員100人までの小企業だけに認められていた事業主拠出を300人規模に拡大したことです。マッチングとも呼ばれ、個人が積み立てた金額に応じて事業主が追加拠出する範囲が広がりました。つまり、政府は方向として確定給付型から確定拠出型への移行を進めていることがうかがえます。

 

私たちに求められること

 

 確定拠出年金の特徴は、あなたが65歳になるまでの責任運用が求められること、ただしこれまでの企業年金と異なり、転職先にそのまま移行できる(ポータビリティ)ことがあります。難しいのは、個人が運用方法を考えなければならないことで、運用に関する基本的な知識の獲得が求められることには注意が必要です。