-ガネーシャの憂鬱―20190707

 

金融講座.2「何に投資するか」

 

 

 

あなたが35歳未満なら自分に投資しましょう

 

 出来れば、年収の半分くらいの預金はあったほうが良いと思います。これは、転職するとき、あるいは会社が傾いた時の脱出費用です。でも、若手の預金残高の傾向をみると、これは高いハードルかも。転職のときは、まず転職先を決めてから行動に出ましょう。くれぐれもキレないように。そして、追い詰められる前に脱出方法を見つけることです。

 

 可能ならiDeCo(個人型確定拠出年金)などにチマっと貯めておいても良いかも知れません。しかし、お勧めは自分への投資です。もちろん、ご自分の仕事に役立つ、あるいは将来のキャリアパスも考えて資格取得なども良いのですが、もっと広く考えて良いと思います。私個人の経験では、転職時に一番心強かったのは、多くの友人が親密なアドバイスをくれたことでした。人脈を広げておくことも立派な投資です。

 

 主に社会人向けの大学院で教えていますが、入学してくる人々の高い志には圧倒されます。例えば、技術者として一線に立ってきたが、経営的な知識がないとこれ以上の成長が見込めない、キャリアアップを図るために経営の知識が必要、などなど。社会人向けに夜間や週末に授業を集中する大学院も増えていますが、費用がかかることと、ほとんど東京圏に集中しているという問題もあります。さらに、短期で学位取得するためには相当な時間を勉強につぎ込まなければなりません。それでも、多分、この中から次の時代の起業家やリーダーが出ると思います。投資とはひともうけすることではありません。将来のキャッシュフローを生み出す源を作ることです。将来、いろいろなことがあっても、年金問題に思い悩む必要はなくなります。

 

リスクに敏感になるクセをつける

 

 米国で巨大企業の企業年金運用に携わった時、最初に言われたのは「もうけようと思うな」でした。ひともうけの裏側は、過剰なリスクと巨額の損失です。日本経済は年率0.5%でしか成長できない可能性が高い。その中で、高い収益を得ようと考えるなら相当高い、ギャンブルにも似たリスクを取らなければなりません。若い時は、まだ取り返す機会がありますから、多少のリスクを取っても良いでしょう。では、リスクとは何でしょうか。

 

 リスクとは「期待外れ」のことです。ただし、期待外れは上側にも下側にもあります。上に振れれば利益、下に振れれば損失です。そして、リスクには日本の将来などのマクロ的なものと個別金融商品や企業に係るミクロ的なものがあり、総合的にはその足し算になります。この問題は全ての年代に関わるので、次のテーマにしたいと思います。

 

 最後に、金融機関の言うことは参考にとどめたほうが良いです。別にあなたをだまそうとしていなくても、金融機関にとって良いと考えることが、あなたにも良いとは限りません。

 

このあたりも数回に分けて詳しく説明しましょう。

 

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