―ガネーシャの憂鬱―20190711 

 

金融講座.4「分散投資」の勧め

 

卵をひとつの籠に入れない

 

 あなたがギャンブラーなら、どこか一点に全ての資金を投じる、という手があります。一発当たれば億万長者、外せば一文無し、という選択です。しかし、これは例外。確率から言えば、億万長者より一文無しの可能性が高い。1そこで、普通の人々には分散投資の考えを理解しておくことをお勧めします。

 

 一番簡単な方法は、現金、株式、債券に分けること。景気が良い時には株価が上昇し、悪い時には債券価格が上昇します。変化が起こったら現金を使って価格上昇が期待できる金融商品に投資すれば良いわけです。もちろん、世界はそれほど単純ではありません。海外については為替という難しい関門が待ち構えています。現在のように人為的に金利が抑え込まれているときには市場が動けず、こうした戦略が取りづらいのも確かです。

 

 年代でも分散方法は変わってきます。若い時は、資産形成の時間的余裕がありますから、高めのリスクを取っても良いでしょう。後で挽回可能です。逆に引退世代は挽回が難しいので、リスクを極力排除しなければなりません。

 

 卵をひとつの籠に入れない、というのは、一か所に集めて転んだら全部の卵を失うことになる、でもいくつかの籠に分けておけば少ない損失で済む、という話です。でも収益は?一般に分散すると期待する収益水準は下がります。でも、全部失うより良いとは思いませんか。

 

例えば、の分散方法

 

 就職して企業が提供するDC(確定拠出年金)のポートフォリオ2を提出しなければならないのですが、という相談を受けることがあります。そもそもDCそのものが収益期待で分散した部分ですので、多少のリスクは取って良いでしょう。低リスク部分には厚生年金があります。そういう前提で私案をご紹介します。

 

 まず株式ですが、ダウ工業株30種(NYダウ)。長期で見れば、着実に上昇しています。

 

日本株にはあまり大きな期待は出来ませんので少々。現時点では債券は国内外ともこれ以上価格が上がることはないほどの高値ですから、確実に利払いがある債券に限定されると思います。途上国は期待も大きいがリスクも高いので、これも少々にしたほうが良いでしょう。意外と盲点なのは、金などの商品。平常時には大きな収益は期待できませんが、非常時には絶対的な強さを発揮します。関心があれば、REIT(上場不動産投信)を使って不動産に投資するという手もあります。商業用不動産は比較的安定した配当を出しています。

 

 分散する。それがリスクを避けて比較的安定的に運用する基本です。

 

1 ベイズ統計という手法を使えばその理由が分かりますが、ここでは結論だけ。

 

2 資産一覧表のこと。資産ごとに現在価格と期待収益が一目で分かるよう整理します。

 

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