―ガネーシャの憂鬱― 20190717

 

金融講座.5 「信じられる金融機関」とは?

 

 

 

金融機関は信じても良いのか

 

 顧客の財政状態を無視して不動産運用を営業した某地方銀行や、顧客のニーズを無視して乗り換えを勧めた某保険会社などを除くと、今時の金融機関はかなり厳しいコンプライアンス(法令順守)が求められるので、顧客の利益を損なおうという意図はほぼないと考えて良いと思います。しかし、実際には意図しない不利益をもたらすことが多いのも事実です。

 

遅い!

 

 基本的に、金融機関の経営は、金融庁という役所が管轄しています。ですから金融庁の認可なしでは何もできないと言って良いでしょう。ここが製造業やサービス業と大きく異なる点です。例えば、新規事業を始めたいとします。役所というところは絶対に失敗は許しません。加えて、みんな横並びを尊重し、イノベーターが先行利益を得ることを嫌います。その結果、事業の認可まで極めて長い時間が掛かります。その結果、事業が利益を得るタイミングを失してしまいます。その結果、レッドオーシャン、つまり血みどろの競争が起こることになります。

 

投信ならNYダウのETF

 

 私が個人的に投資信託をお勧めしないのも同じ理由です。特にテーマ性のある投信が利益を出すことは極めて難しい。利益が出そうなテーマを見つけ、投信を設計する。認可を得る。販売体制を整える。販売する。この間にテーマは陳腐化してしまいます。後は先に動いた、主に海外の投資家が高値で売り抜き、投信を買った個人投資家がその損失を全てかぶる。こういう展開です。

 

 投資信託を資産形成に使うなら、ダウ工業株30種平均(NYダウ)のETF1を買う方法が良いと思います。日経平均は225種ですが、NYダウは30社、しかも最も「旬」な企業に次々と入れ替えられていきます。過去50年という長期の推移をみると、NYダウは多少の紆余曲折はあるものの安定して上昇を続けています。日経平均は1989年の高値から、ようやく半分の水準まで戻してもたついています。株価を上げなければ経営者はクビになりますし、なにより経営者の給与は大部分が株式です。株価が上がらない訳がないのです。

 

1 上場投資信託。株式のようにいつでも売買可能で手数料も極めて安い。

 

「良い」のではなく「悪くない」が判断基準

 

 たいていの金融機関は自分たちが法律や規則に違反していないかを確認して営業します。これが、顧客の利益とは必ずしも一致しないことにつながってしまいます。金融機関は形式的な「正義」は整えています。ですから、最後は自己責任という言葉に行き着きます。

 

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