―ガネーシャの憂鬱― 20191029

 

金融講座26 「老後のために2000万円」を貯める

 

 

 

 「貯蓄から投資へ」という言葉を良く聞くと思います。まず最初に、貯蓄、投資、投機の違いを考えましょう。例えば、毎月1万円ずつ貯金するのは?これは貯蓄ではなく、立派な投資に入ります。どうです、印象が違って来たでしょう?もしもあなたが一発勝負がお好きなら、大きなリスクを取る投機になりますが、ここでは取り上げません。

 

あまり一般的な考え方ではありませんが、消費して残ったお金が貯蓄です。つまり、目的ではなく結果として残ったお金なのです。毎月1万円ずつ貯金するのは、実質、名目を問わず将来のリターン(収益)を期待するので投資に分類されます。

 

運用というのは、必ずしもリスク性商品に投資することではありません。ポートフォリオという言葉を聞いたことがありますか。これは財産目録の意味で、一番基本的な方法(現時点では必ずしも妥当ではありませんが)は、資産を株式、債券、現金に3分する方法です。景気が良い時は株価が上昇、景気後退時には金利が下がって債券が上昇します。現金は安全資産でもあり、資金の待機場所にもなります。後は、目的や経済環境などで割合を変えて行きます。分散すればリスクに対して耐性がつきます。

 

現在はどういう時代でしょうか。貯金しても金利がつかない、という方があります。それは間違いです。デフレ(物価が下がる、上がらない)時代には、現金が一番強いのです。昨日まで100円でしか買えなかったものが99円で買えるなら、それだけ現金の価値が上昇しているのです。逆に物価が上昇するインフレ時にはお金の価値がどんどん下がります。インフレのひどい中南米の国では、朝と夕方で価格が変わります。翌朝になれば価格はもっと上がっている、ということは、一晩でお金の価値が下がってしまったことになります。話を戻しますが、現状デフレであるということは、現金が一番強いことになります。

 

ただ、これからも同じことが続くとは限りません。例えば、歴史的にみて、巨額の財政赤字は間接的にはフランス革命の原因にもなりましたし、第一次世界大戦後のドイツ、ワイマール共和国ではハイパーインフレ(超インフレ)を招いてナチスを生み出す結果にもなりました。そこまで行かなくても、無限の財政赤字拡大が不可能なことはご理解いただけると思います。財政赤字の蓄積ということは誰かがそれを負担しなければなりません。多分、今日でも明日でもないでしょう。ということは、負担するのは次の世代であり、さらにその次の世代です。先送りとは、次の世代を犠牲にしていることだと言えます。

 

そういう大きな変化に備えるためにも、資産を分散することが重要です。不動産なども対象にはなりますが、順調にキャッシュを生み出してくれることが重要です。もしものときに不動産をキャッシュ化(売却)するのは容易ではありません。あまりにリスクが高いものも、それに見合った収益を得るのは大変です。

 

多分、最悪なのは宝くじで、これは計算上の収益が基本的にマイナスという、投資対象としてはおそるべき存在です。

 

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