―ガネーシャの憂鬱― 20191118 

 

金融講座28 消費税をめぐる不都合な真実

 

 

 

 101日から消費税が10%になりました。ところが軽減税制だ、ポイント還元だと複雑極まりなく、一体何が起こっているのかすら分からない状況です。消費税とは、その名のとおり消費者が直接負担する税金です。総額20兆円弱で国の歳入(収入)の約2割を占めています。ところがこの消費税が数々の不都合な真実を抱えています。

 

 消費税は、消費者が業者に預け、業者が納税します。業者の負担は事務費以外ありません。ところが、国営庁によると年間約3,000億円が未納になっています。つまり、業者が預かった税金を支払わない状態が発生しています。

 

この他に、年間売上高1,000万円以下の業者は免税を選択できます。また、売上高5,000万円以下なら簡易課税という制度を選択することも出来ます。これらを「益税」と呼び、要するに預かった消費税がそのまま手元に残ることを許す制度になっています。何が何でも消費税を導入したいがために不完全な制度を導入したつけ、と言えるでしょう。一言で言えば「ずるい」業者にお目こぼしを残したわけです。

 

ところが、あと4年でこれらの免税業者が青くなる事態が起こります。その仕組みを簡単に説明しましょう。消費税は海外では付加価値税と呼ばれます。例えば、サンドウィッチを提供する店が100万円を売り上げたとします。消費税は10%で10万円です。パンを20万円で仕入れたとします。このとき、業者は2万円の消費税を払っています。10万円の消費税をそのまま納税すると2万円の損失になります。店の利益は100-2080万円しかないので8万円納税すればよい訳ですが、そのためには消費税2万円を差し引かなければなりません。

 

現在は帳簿で計算しているのですが、4年後にインボイス(送り状)という書類が義務付けられます。確かに20万円のパンを購入し、消費税2万円を負担しました、という書類です。ところが免税業者はインボイスを発行できません。最初から納税しないでよい訳ですから、税金を納めたという書類などあるはずがありません。

 

そうなると何が起こるか。第一に、免税業者は中間取引から排除されます。そこから仕入れると、税金を控除できないからです。第二に、売上をごまかすことが出来なくなります。インボイスは公式文書ですから、それを積算すれば簡単に消費税負担額が分かり、そこから売上が明白になるからです。

 

これを避けようとすると何が起こるでしょうか。全てのキャッシュレス決済を排除し、現金商売にしなければなりません。一部の業界ではそのような方法がまかり通っているようですが、世界的にみると、現金にはなんらかの不正取引が絡んでいると見たほうが良いです。全て現金取引で、商品価格も良く分からない麻薬取引などがこれに相当します。

 

日本は脱税に甘い国です。米国などでは脱税には時効などなく、破産するか刑務所行きになります。国には借金を増やす前に税金を正しく収納する努力を求めたいと思います。

 

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